主婦女性が働いて収入を得る時に気にするのが、税金や社会保険料を納めるかどうかです。収入があっても、夫の扶養控除の範囲内におさまっていれば、税金も社会保険料も払わずに済み、お得になるという考え方が圧倒的多数を占めるからです。
これらを支払う収入のボーダーラインを、一般的に壁という言葉で表現しています。よく知られているのが103万円の壁で、これがまず一番最初のハードルになってきます。収入が103万円以内におさまれば、所得税と住民税を支払う必要がありません。
これが103万円を超えた場合、夫の扶養から外れ、夫自身の税金支払い額も多くなります。さらに自分自身にも支払い義務が生じることから、多くの主婦が103万円以内に抑えて働こうとするわけです。けれど、これが薬剤師という国家資格を持つ女性である場合、仮にもっとも賃金の低いアルバイトという雇用形態であっても、それなりの時給をもらえます。
1時間あたり2000円程度出ることも珍しくないため、103万円の壁は、比較的容易にクリアできるハードルとなってくる可能性が高いわけです。そのため、選択肢としては、どうしても103万円以内におさめるため、入る時間と日数が自由に調整できるところに雇用してもらうか、あるいは壁を気にせず、自らも働けるだけ働いて収入を得、税金や社会保険料を納める人になるかのどちらかになります。
ただ、アルバイトという雇用形態は、雇う側からすると人材確保のうちの最後に位置することから、扶養控除の範囲内で働きたいという希望に応えてくれるところが多いと思われます。103万円以内に収入をおさめて働きたいのであれば、たとえ国家資格を持っていても、アルバイトという雇用形態を選んで働くのが、もっともわかりやすい働き方です。
家庭の主婦ともなると、子供の行事などで休みたい日も多いでしょうから、職場に迷惑をかけにくい雇用をしてもらえるというメリットもあります。