どんな仕事でもそうですが、単発で入るとなると即戦力であることが望まれます。その場で教えるということがなかなかできないためで、そうなると未経験者で誰かから教えてもらえることを期待して仕事に入ると、つらい目に遭うかもしれません。
薬剤師という資格を持っているとしても、アルバイトという雇用形態を選ぶ人は、バリバリ仕事をするよりは自分の時間を大切にしたいと考える人や、フルタイムで入り、責任ある仕事を任せられるのは負担が重いと考える人ではないかととらえられる傾向があると言えるでしょう。
けれど、これが単発バイトということであれば、話は違うと言えます。それというのも単発で入るということは、どこに行ってもすぐに仕事ができる状態の人という条件が付くことになるため、どんな職場であっても、どのような処方箋が持ち込まれても対応できるだけのスキルと経験がないと、逆にやっていけないということになるからです。
どんな職場にも対応し、どのような処方箋でも調剤してのける技術と知識があるという人なら、助太刀や急な人手不足ということで募集されることになる単発バイトは、むしろねらい目と言えるかもしれません。技術も知識も持っていて、なおかつ仕事もできるという人は、通常は正規雇用や長期雇用でほしい人材です。
その人材を単発バイトで雇うということになれば、必然的に時給は普通のアルバイトより高めにする必要があります。そうでないと優れた人材は来てくれないからで、単発の人材を雇ってでも乗り切らなくてはならない事態に対応することができません。
そのため、普通にアルバイトとして入るよりも時給は高くなるのが一般的です。
初対面の人たちと仕事をすることになるとしても、どこに何があるかわからない職場で調剤業務をしなければならないとしても、人とうまく合わせることができ、一通り聞けばすぐに薬の場所を覚えられるという能力を持っている人なら、単発の繰り返しで効率よく稼ぐことが可能になります。
単発で入ることに対して感じるストレスよりも、決まった職場で同じ人たちと付き合っていく人間関係の方がストレスがかかるという人には、まさにうってつけの働き方と言っていいでしょう。薬剤師としてのスキルはしっかりあり、どんな仕事もこなせるという人だからこそできる働き方、それが単発で入るということなのかもしれません。