薬剤師というと処方された薬を渡されるイメージがあるかもしれません。調剤や服薬指導は欠かせない仕事ですが、現代における求められる役割はただそれだけではありません。患者さんの健康に寄り添い支援するいわばケアの事業でも求められているのです。
薬に関してのニーズは日々変わってきます。時代によって必要とされる薬や年代などは変わるので就職後も勉強はしていかないといけません。2009年から、登録販売者の資格を持つ人であれば一般的な医薬品をドラッグストアなど販売できるようになりました。
登録販売者の有資格者は多いので、販売に従事するニーズは減っていく予測です。一方で製薬会社などでは製造や販売における管理や医薬情報担当者としてニーズが高まっています。高度な専門知識を有したスペシャリストとしての需要はあるといえるでしょう。
医療サービスでは昔にはない重要な課題があります。医療現場では患者さん一人に「チーム医療」を結成し治療をサポートします。薬剤師は薬の専門家として薬剤師が薬物療法に積極的に関わることが求められます。高齢化の今後は、看護師や介護士とも連携して在宅医療に参加するケースもあります。役割は薬の調剤だけととどまらず徐々に広がっていくのが今後の見通しです。医療や介護職との連携をこれまでより強くし、コミュニケーションする機会が増えていくことでしょう。
場合によっては人の命に直結する薬も扱います。医師や看護師と同様に絶対的なミスは許されません。高度な知識を持つのはもちろんのこと、緊急時でも冷静な判断力を維持できることが大切な要素となります。職場ごとに特に求められる能力も違ってきます。
門前に病院がある調剤薬局は、日々たくさんの患者が処方せんを持って来店します。多くの薬を短時間で正確に調合しないといけないので几帳面さや集中力が必要になるでしょう。ドラッグストアなど選ぶ職場によっては患者さんとのコミュニケーション能力が求められます。
お店には大小さまざまな悩みを持ったかたが日々来店します。薬に関する質問や健康への悩みを聞かれたら親切丁寧に答えていくのが仕事になります。
近年では職場での役割も大きく変わってきます。求められた薬を調剤してただ患者さんに与えて終わりではないのです。地域密着型医療の推進により「かかりつけ薬局」という考え方が注目されています。薬や健康面の相談に乗ったり、場合によっては最適な病院を紹介したりする重要な業務も担います。
高齢化により健康や薬に関するニーズはより高まっています。ただ説明するのではなく、困っている人に思いやりを持って接し尊重することが大切となります。薬を説明する時も高度な専門用語ではなくわかりやすい言葉で説明しなければなりません。
これに関しては普段の生活から心がけることが可能なので意識してみましょう。