薬剤師は、情報収集のために患者さんに対して質問をする機会が多くあります。そんな時に、闇雲に質問を続けるだけでは効果的に情報を集めることはできません。質問に関するテクニックを身につけることが大切で、そのテクニックの一つがオープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分けです。
質問をする方法には、オープンクエスチョンと呼ばれる方法とクローズドクエスチョンと呼ばれる方法の二種類あります。前者は、答え方に制約がなく自由に答えられる質問方法です。後者は、対照的に質問の段階で答え方に制約を加える方法で「はい」か「いいえ」で答える形式の質問が典型的な例です。
二者択一だけでなく三択や四択も、予め答え方を制限しているのでクローズドクエスチョンに含まれます。それぞれ向いている質問内容や使用すると効果的な状況があるので、使い分けることで効率的な情報収集ができます。
オープンクエスチョンは答え方に制限がないので、自由に答えてほしい時にする質問に向いています。症状を確認する場合は、オープンクエスチョンをして、なんでも自由に話してもらうようにした方が正確な情報を得ることができます。
また、制限がないので答えやすいという点も、オープンクエスチョンの特徴です。気になることがあれば、遠慮せずに話してほしいと思っていても、なかなか話をしてくれない患者さんもいます。そういう人には、世間話の中に答えやすいオープンクエスチョンを組み込むことで、コミュニケーションを深めていくことができます。
クローズドクエスチョンは答えが限定されているので、答えやすいという点が特徴です。オープンクエスチョンに対して、迷ったり考え込んだりしている状況なら、クローズドクエスチョンに切り替えることでスムーズに話が進む場合があります。
例えば、オープンクエスチョンをしたい場合に、先にクローズドクエスチョンをして、その答えに続くようにオープンクエスチョンをすると、答えやすくなることがあります。またオープンクエスチョンだと、質問の意図を勘違いすることがありますが、クローズドクエスチョンならその心配はありません。
誤解を避けて、正確に答えを引き出すための前提質問としても効果的な方法です。