病院や薬局だけでなく、学校も薬剤師が活躍できる職場の一つです。医療機関ではない学校が職場になることに、違和感を覚える人もいるかもしれませんが、法律によって配置することが義務付けられています。配置義務が法定されることになった原因や、学校で果たしている役割を知れば、遣り甲斐のある仕事であることが理解できます。
学校への薬剤師の配置が義務付けられるようになったのは、学校で医薬品に関する事故が起こったことが原因です。薬学の知識がある人がいれば防げた事故であったことから、専門家の配置を義務付ける法律ができました。学校において、環境衛生の維持や管理に関する助言や指導を行うことが主な業務になっています。
他にも、健康相談や保健指導も対象に含まれているので、果たすべき役割は多岐にわたっています。調剤薬局のように調剤業務が中心になるところと比べると、業務内容に大きな違いがあるので、求められる能力にも違いが出ます。
学校への配置が義務付けられていると聞いても、信じられない人もいるでしょう。学校で薬剤師を見たことがない人なら、そう感じても仕方がありません。実は、学校に常駐しているわけではなく、別の職場と掛け持ちで業務にあたっています。
その結果、出会ったことがない人がたくさんいるという状況になっています。普段の業務をこなすためのスキルと学校で求められる知識や判断力の両方が備わっている人が業務にあたっています。
学校でする仕事の内容は、法律によって定められているので、勤務する学校によって内容が変わるということはありません。教職員と連携して、学校保健計画や学校安全計画の立案に携わることになります。
薬学の専門家として、積極的な関与が求められる重要な立場としての参加です。具体的には、学校設備の安全確保のための点検や、日常における安全指導などが含まれています。生徒たちに薬の正しい使い方を指導することもあります。
生徒を集めて講演するという形式なら、演壇に立って指導をする立場になります。その際の補助教材の作成にかかわったり、指導内容を決める会議に参加したりすることも大切な業務に含まれます。どれも調剤業務などの典型的な業務とは大きな違いがあるものばかりなので、遣り甲斐を感じられる仕事になることが期待できます。