薬剤師は、勤め先によりますが高待遇で働きやすい職種の一つであり、若くして高収入を得ている人も珍しくありません。一方で、仕事内容や人間関係などの面でミスマッチを感じて就職をしてすぐに離職を考える人もいます。こうした問題が起こらないようにするには、求職中に様々な現場の特徴を理解した上で採用試験を受ける必要があります。
病棟や介護施設といった勤務時間が不規則な現場を勤務先に選びたい場合は、夜勤の回数や労働時間、残業の有無などに注目をすることが大切です。一般的に、症状が急変しやすい高齢者が多い場所では、勤務の時間帯によって残業を任されたり、思うように休みが取れなかったりすることもあるため気を付けましょう。
また、ハードワークのためにスタッフが頻繁に入れ替わる現場においては、スタッフ同士の情報共有や連絡が上手くいかなくなることもあります。そこで、求職中にスタッフの定着が良い現場の見学をするのはもちろんのこと、同じ場所で長く働いている人に仕事の取り組み方について教えてもらうのも良いでしょう。
薬剤師が就職をしてから人付き合いの問題に悩まないためには、医師や看護師、コメディカルなど様々な職種の職員間で連携がきちんと取れている現場を見つけることが重要です。最近では、職場探しに悩んでいる医療従事者に向けて、現役の職員が質問に答えている医療機関も少なくありません。
そのため、早めに多くの医療従事者が利用している求人サイトや情報誌などをチェックして、気になる現場に問い合わせをするのがおすすめです。また、医療現場での各職種の役割について理解を深めるには、定期的にすべての職種のスタッフを集めて研修会が行われているところや、親睦会などのイベントがあるところを就職先に選ぶという方法もあります。
就職後のスキルアップについて不安がある人は、数ある総合病院や公立病院の中でも、一人ひとりのスタッフの配属先や過去の経験、得意分野などに応じて研修やセミナーが行われているところを探しましょう。大手の医療機関の中には、外部から各分野のベテランの講師を招いたり、資格や免許の取得を希望する人に支援金を付与したりしているところもあります。
また、管理職を目指している人に対しては、医療関係の業務研修ばかりでなく、メンタルヘルス対策やスタッフのマネジメントなどの教育が行われることもあります。