薬剤師の転職動機として挙げられることが多いのは、給与や待遇に関する不満や人間関係、キャリアプランの実現というところです。転職では動機の確認が確実に行われるので、どのように伝えるのかの準備が重要になります。包み隠さず正直に伝えることが、必ずしも好印象に繋がるとは限りません。それぞれの動機の印象の良い伝え方を知っておく必要があります。
給与や待遇に対する不満が転職の動機になっている場合は、そのまま伝えるのはリスクの高い選択になります。給与さえ高ければどこでも良いと考えているという印象を与えるからです。仕事内容は二の次で、お金のことだけで選んだ人に期待する人はいないと考えた方がいいです。
更に、もっと良い給与条件のところが見つかれば、すぐに辞めてしまうという印象も持たれます。しかし、給与条件の改善を求めていることを隠して、希望を叶えるのは難しいです。配慮をした伝え方をすることが大切で、求めているのはお金ではなく正当な評価だという表現なら問題ありません。
仕事に自信を持っていることと併せて伝えれば、正当な評価を給与に反映してほしいと思っているだけだという意味になります。その結果、評価さえ得られれば会社に利益をもたらす自信があるということを伝えることができます。
人間関係が転職の動機になることは少なくありません。採用担当者も分かっていることですが、堂々とそのまま表現することは避けるべきです。責任がすべて相手側にあると考えているという印象を持たれれば、同じことを繰り返す可能性が高いと評価されてしまいます。
人間関係が動機になっている場合は、他の人たちと力を合わせて取り組むチームワークに興味があると表現すれば印象が良くなります。前の職場で人間関係が上手くいかなかったことが伝わったとしても、次は良好な関係を築くために前向きに取り組む心構えがあるという印象を与えます。
大切なのは、失敗した過去の事実よりも繰り返さないという現在の意思を伝えることです。
キャリアやスキルを高めることを目的に転職する場合があります。この場合は、向上心を持っていると評価され、相手に好印象を与えると考えてしまいがちです。その結果、正直に伝えれば良いと判断する人がいますが、実はそうではありません。
キャリアアップやスキルアップは、確かに仕事に前向きな印象はありますが、自分にとって利用価値が高い職場だから選んだという印象も同時に与えてしまいます。上昇志向が強い人は、何よりも自分を優先するという評価に繋がることがあります。
それを避けるためには、自身のキャリアやスキルの向上が、会社の利益になるということを伝える必要があります。身につけた能力が会社に還元されるのであれば、向上心が強いことは大きな魅力になります。