薬剤師の資格を取得した人が、医薬品を研究することを専門におこなう仕事に就くこともあります。このような種類の仕事をおこなうためには、薬局や医療機関で調剤をするために必要な知識とは異なる知識も必要になります。ここでは、医薬品を研究するためにおこなわれている仕事について解説します。
薬剤師は医薬品を研究するための仕事をすることもできる資格です。このような仕事をしている人が働いていることがあるのは、製薬会社の中に設置されている医薬品の研究を専門におこなっている部署です。
多くの製薬会社ではこのような特別な部署を設けて新しい医薬品の研究をしています。こうした製薬会社で新しい医薬品を開発するために研究されているのは、新しい物質を作り出すことです。研究によって今までになかった新しい種類の物質を作ることができれば、新薬を開発するために利用できることもあります。
新しい物質を作るための方法としておこなわれているのは、化学的に複数の物質を合成する方法です。自然界に存在している物質どうしを化学合成することもできれば、化学合成された物質を再び他の物質と合成することもできます。
このような方法で化学合成された物質は多く、医薬品の材料として使われているものもあります。化学合成で作られた新しい物質は今までの物質にはない特徴を持っていることがあり、これらの特徴の中に病気や怪我を治療するために使用できるものが含まれていれば、新薬を作るための材料として使用できます。
化学合成で作られた新しい物質は、合成するために使用した材料と同じ特徴を持っていることもあれば、合成のために使用した物質とは全く異なる特徴を持っていることもあります。
化学合成によって作られた新しい種類の物質が医薬品に使用できるかどうかは、その物質の持っている化学的な構造を調べればわかることもあります。薬剤師の資格を持っている人が医薬品の研究をするためにはこのような知識も必要になり、化学に関する幅広い知識が必要になる仕事です。
化学合成によって作った物質の持っている化学的な特性を調べることによって、医薬品に使用できる物質であることがわかることもあります。他の物質とは違った特性を持っている物質が医薬品の材料として使用できることもあるので研究者にとっては重要な仕事です。