処方せんに従って薬を患者さんに渡すだけでは薬剤師の仕事は半分しか完了していません。残りの半分は処方せん監査と呼ばれる処方せんの不備や誤りのチェックで、この作業を終えてはじめて仕事を完了したことになります。処方せん監査は高品質な医療や患者さんの安全を確保するための作業で責任も重く不安を感じる人もいます。そんな不安を払拭して自信をもって取り組むにはルーティーンの確立が役に立ちます。
処方せん監査に大きな責任が伴うことを考えれば、新人のうちは何度も確認し直したり薬を渡した後に不安になったりするのは無理もないことですが、それでは精度の高い仕事はできません。安定して上質な業務を行うには事前に順番を決めて、それに従って一つ一つ熟していくことが大切です。
一般的には形式的な部分のチェックをして問題が無ければ実質的な部分に入っていくという手順です。何を調べて何を調べていないのかが分からなくなってしまうことのないように、順番にチェックができるようにしておきましょう。
全ての作業をルーティーン化しておけば精度が高まるだけでなく、自信をもって処方せん監査に取り組めます。
形式的なチェックは患者の症状とは関係なく、処方せんの形式的な間違いや不備が無いことを確認する作業です。薬を渡す相手を間違えないことは言うまでも無いですが、医師に関する確認も重要です。
処方せんには医師の記名押印が必要で、それが無ければ効力がありませんし正確でない場合も同様です。不正に薬を入手しようとする人もいるので軽視できないチェック項目です。処方せんの有効期限の確認もこの工程で行いますが、連休明けは期限切れになっていることが多いので特に注意が必要です。
他にも処方せんに記載しなければいけないことはたくさんあるので、事前に整理して一つ一つ確認していくことが大切です。
形式的に問題が無ければ実質的な部分に入っていきますが、この工程が薬剤師の処方せん監査の中核的な部分です。間違えることはできませんし、間違いを見落とすことも許されません。不安や緊張を伴う作業ですが、極度の不安や緊張を感じながら行うことは良いことではないです。
先ずは気持ちを落ち着けることが大切で、それには作業のルーティーン化が役に立ちます。経験や知識を活かして臨機応変に判断するのはミスの原因になるので、形式的な監査と同様にチェック項目を決めて順番に熟していくことが大切です。
必要なことを全てやったことが監査後に確認できれば不安や緊張の緩和に繋がります。