今現役で働いている薬剤師さんなら、あるあると頷いてもらえる、「苦労した経験の中に薬の先発名を覚えることが大変」だというのをご存知でしょうか。先発名ってそもそも何だろうと思う方もいらっしゃると思います。先発名について詳しく解説していくので、興味のある方は是非お読みください。
薬局に行くと、一度は「ジェネリックにされますか」と聞かれたことがあると思います。このジェネリックというのは後発名の薬のことで、先発名の薬の後に作られたものです。先発薬の成分を元に安く作られた薬のことで、先発薬とは名称も異なります。
先発薬とは世界で一番最初に作られた薬のことです。長年の研究と製造により誕生した薬で、それにかかる費用も莫大です。そのため、この先発薬が薬として出される場合、どうしても薬の単価が高くなってしまいます。これは開発費用を回収のためと、特許期間が影響しています。
対してジェネリックは、この特許期間が切れた先発医薬品を新しく作り直したものとなっています。そのため後発薬、後発医薬品、ジェネリック医薬品などと呼ばれています。先発薬と違い、開発費用も安く押さえられるため、安価で薬を作ることができるのです。ジェネリックのそれぞれの薬名は、先発薬に使われていた有効成分の一般的名称や、会社名を名称にしていることも多いです。そのため、先発名で処方されると、まだピッキング作業に慣れていない新米の方は戸惑うことがあります。薬剤師の国家試験では薬の種類を成分名で覚えるので、先発名が苦手な方が多いのも仕方ありません。
最初のピッキング作業に慣れない方は、薬の処方箋を見ながら、先輩に聞いて覚えていったり、棚の場所を覚えながら慣れていくしかありません。薬局の中には作業効率を高めるために、予め先発名を事務の方が入力してくれて、成分名を表紙してくれる薬局もあります。
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悪戦苦闘するのは、先発名だけではありません。安心して飲める薬にしてほしいと思う方の中には、あえて先発名を望む人もいます。ジェネリックは有効成分の他に、添加物も入っています。これは検査の末にきちんと安全性が確認されているのですが、患者さんによっては添加物というだけで少し不安になる方もいます。
よって、先発薬とジェネリックの違いや、安全性についてきちんと説明しなくてはいけない場面もあります。先発薬についての知識をしっかりと身に付けておき、患者さんの不安を取り除ければもう立派な医療従事者と言えるでしょう。