病院の特別施設もしくは院内のコーナーで、医師から処方指令を受けた薬を患者に渡すのが薬剤師の仕事です。薬を渡す以外にも、処方する薬の保存状態は適切な使用法を患者に伝えるのも内容であり、病気やけがの根治を目指す医療において重要な役割を担っています。そんな重要な役割がある仕事ですが、現在は病院で働くだけでなくいろいろな場所で活躍できる道が広がっているのです。
病院で働く以外の新しい活躍の道として、過疎地に移動処方車に乗って渡すという仕事です。人口減少そして後期高齢者の影響は医療界にも表れており、定年退職を迎えた医師が増えたことで都市部を離れた島や山間そして沿岸部などの田舎では医療体制が崩れ始めています。
この影響で最大の問題が、これまで診療所で受け取っていた薬が診療所の廃業で渡せなくなっているのです。薬が渡せない状態になると、高血圧など命にかかわる症状やけがをしている人たちにとって死活問題になります。
そこで新しい活躍の方法として、薬を搭載した車に乗って依頼された場所に決まった週に赴いて薬を渡すことでこれまで通りの生活を送れるようにしているのです。
病院勤務以外の新しい活躍の場として、日本の医療レベルの高さを受けて国際医療で活躍をする道もあります。国際医療現場で働くためには日常会話レベルの英語能力に加えて、英語における医薬品の名称や使い方などの知識も必須になります。
英語能力と英語における薬品の専門知識が必要になるためハードルが高いですが、給料などの待遇がよくなるためキャリアアップとしては最適な道の一つに挙げられます。
2019年に起きたパンデミックの影響によって、医療現場の従来のやり方では対応できないことへの対処策が求められるようになります。特に厄介だったのが対面式のやりとりであり、薬を渡すときには使い方のレクチャーをしないといけないため渡すという行為が難しくなってしまったのです。
そこで規模の大きい病院で行われ始めているのが、薬を渡す作業を対面式ではなくドライブスルーやオンラインでのやり取りで薬を処方するというものです。医療現場にIT通信技術を導入することで、これまで紙面で伝えていたことを電子データとして活用できます。
直接対面できなくなっても、オンラインでのやり取りができればすぐに必要な薬を渡すことができるのでドライブスルーでも十分に役割を果たせます。そしてIDを登録しておけば、どんな薬を処方したのかがわかるので電子画面上でも使い方を説明できます。