身体への影響が大きい薬を扱う仕事は、正しい知識を備えた人が従事しなくてはなりません。それにふさわしい適性やスキルを持っていることを証明できる仕組みとして、薬を扱うための資格が設けられました。薬局以外にも活躍の場が広がっている将来性のある資格です。
薬を扱うために必要な資格を持っている人のことを、薬剤師と呼びます。薬は私たちの健康に関わるものであるだけでなく、使い方を誤ってしまうと命を失うリスクもあるため、扱う人にはそれ相当の技量が求められます。適切な知識や技量を備えているかどうか、客観的に評価するための仕組みとしてこの資格が設けられました。
主な仕事場としては薬を処方する薬局が考えられています。薬局では病院で診療を受けた患者さんが処方箋を持ってやってくるので、それに応じて薬を渡さなくてはいけません。
この時正しい知識がないと誤った薬を処方してしまう恐れもあり、それを防ぐためにもこうした資格を持っている人しか働くことができないようになっているというわけです。
このように薬局が薬剤師の主な活躍の場として考えられてきましたが、近年はそれ以外の場においてもこの資格を持っている人が求められるシーンが増えてきました。例えば新しい薬を開発する製薬会社です。製薬会社では様々な成分を考慮して研究を行い、現在ある疾病の改善や新しく発見された病気の治療に貢献しています。
ところが薬に関する知識を持っていないとどの成分がどのような効果を発揮するのか判断できず、新薬の開発にも支障が生じかねません。色々な成分に関する知識を備えているのはもちろんのこと、人体への影響や副作用も含めた総合的な判断ができるスペシャリストとして製薬会社においてもこの資格を持っている人が求められているというわけです。
スペシャリストとしての活躍が求められる一方で、薬を服用する人の立場により近い場面での需要も求められています。老人ホームや介護施設における薬のスペシャリストとして業務に従事するというのがその一例で、暮らしている人たちの症状などを十分に把握した上で、単に処方するだけでなく医療に関する総合的な事柄をサポートする役割です。
ここでは機械的に薬を処方するだけではなく、利用者の心に寄り添った手厚い支援を行う必要があります。薬に関する最新の知識だけではなく、人間とのコミュニケーション能力も求められている職場と言えるでしょう。このように薬剤師が活躍できる職場は、年々増え続けています。
社会的な役割や重要性も高まっていますから、世の中の人のために働くことができる資格です。