高齢化社会に伴い、近年、在宅医療の重要性がよく話題にのぼるようになってきました。在宅医療・介護で必要な資格やスキルには、介護職員初任者研修や福祉住環境コーディネーターなどの介護関連の資格が役立ちます。また、認定介護福祉士や准サービス介助士などの高度な資格もあります。在宅医療・介護で必要なスキルは、コミュニケーション能力やチームワーク、柔軟性や創造性などです。患者さんや家族との信頼関係を築き、他職種と協力しながら最適なケアプランを作成することが求められます。その中で、主として医師看護薬の3者が医療チームを作って、在宅介護にあたっている姿をよく目にするようになってきました。以下では、在宅医療・介護の現場で薬剤師が果たす役割に絞って眺めてみたいと思います。
在宅医療・介護の現場では、主として患者さんのQOL(生活の質)を改善もしくは維持することが目的となります。その中で、薬剤師の役割としては、患者さんの状態に応じた調剤や医薬品の供給、服薬指導やモニタリング、医療用麻薬の管理などがあります。
また在宅担当医への処方提案やチーム医療への参加も重要な役割です。
在宅医療・介護におけるモニタリングとは、患者さんの服薬状況や副作用の有無、薬の飲み合わせや効果などを定期的に確認し、必要に応じて処方提案や服薬指導を行うことです。
モニタリングは、患者さんのQOL(生活の質)を向上させるだけでなく、医療費の節約にもつながります。モニタリングを行うためには、在宅医療チームと連携し、訪問指示や報告書などの情報交換を行うことが重要です。
また、患者さんや家族とも信頼関係を築き、気軽に相談できるようにすることも大切です。
在宅医療チームとは、患者さんのご自宅で治療やケアを行うために協力する医療従事者のグループです。在宅医療チームには、医師や歯科医師、訪問看護師や薬剤師、栄養士や理学療法士、ケアマネージャーやホームヘルパーなどが含まれます。
在宅医療チームは、患者さんのニーズに応じて最適なケアプランを作成し、24時間対応でサポートします。在宅医療チームは、各自の専門性を活かしながら、目的と情報を共有し、連携・補完し合うことで良質な医療を提供します。
高齢化社会の中では、このような在宅医療チームの役割がとりわけ大切なことになります。