自宅で病気の治療などをしている患者に対して、薬剤の管理を指導する仕事をしている薬剤師の数が増えています。病気などの症状によっては病院に通院することが難しいこともあるので、こうした患者に自宅で薬剤の管理を指導することは、この仕事をしている人にとって非常に重要な仕事です。ここでは、こうした自宅で治療をしている患者の薬剤を管理する仕事について、詳しく解説します。
薬局に働いている人が、自宅で療養している患者のために薬剤の管理を指導する機会が増加しています。こうした指導がおこなわれることが増えたのは、自宅で病気の療養をしている高齢者などが増加していることが理由の一つです。
病院に通院するのが難しい高齢者の患者であっても、薬局で働いている薬の専門家が自宅を訪れて薬剤の管理を指導することで、患者が安全に薬剤を服用できます。
薬剤師が自宅で療養している患者に薬剤の指導をする回数は、平成時代になってから大きく増加しています。平成13年には全国で合わせて100万回程度の回数の指導をおこなっていましたが、平成20年になると指導の回数は200万回を超えています。
この期間に大きく薬剤の管理を指導する回数が増えたのは、介護保険を使用して自宅で療養している人に指導をする回数が増えたからです。その一方で医療保険を使用して自宅で療養している人におこなった、薬剤の管理の指導はあまり増加していません。
介護保険を使用して自宅で療養する人が増えているのは、日本で高齢化社会が進展して人口全体に占める高齢者の割合が増えたことが一つの理由です。
自宅で療養している人に対する薬剤の管理を指導した回数が300万回を超えたのは平成23年のことです。翌年の平成24年には、薬剤の管理の指導を自宅で療養する患者におこなった回数が400万回程度にまで増加しました。
平成26年には、薬剤の管理を指導した回数が500万回以上になりました。平成26年におこなわれた在宅の患者に対する薬剤の指導回数は平成13年度の5倍以上になりましたが、医療保険を使用して在宅で療養している人への指導回数はあまり変化していません。
介護保険を利用して療養をしている人に対する薬剤の管理の指導回数が増えたことが、この期間に回数が5倍以上になった大きな原因です。薬剤を管理する仕事をしている人は、これからも日本の高齢化社会に対応しながら仕事をすることが必要になります。